「景気後退によるビットコインの上昇期待は時期尚早」 10xリサーチのティーレン氏が指摘 短期的にはBTCに逆風
将来的な景気後退がビットコイン(BTC)の価格に及ぼす影響について、投資家が強気姿勢を取るには「まだ時期尚早だ」と、10xリサーチのリサーチ責任者であるマルクス・ティーレン氏は指摘している。
が示した。
ティーレン氏は、 4月11日のマーケットレポート で「信用スプレッドの拡大が続いており、景気後退への懸念が経済の奥深くまで浸透し始めている可能性がある」と指摘。「強気の動きを期待するには時期尚早だ」と述べている。
景気後退は短期的には逆風
一般に、景気後退の長期的な影響として、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和がビットコインにとってプラスに働くとされるが、ティーレン氏は、その前にビットコインが一時的な逆風を受ける可能性があると分析する。
「通常、中国が通貨を切り下げたり、FRBが利下げを開始すると、まずビットコインは売られる。最初の利下げは大きな効果を持たず、むしろ経済の弱さを裏付けるものと受け止められるからだ」とティーレン氏はコインテレグラフに語った。
Bitcoin is trading at $80,620 at the time of publication. Source: CoinMarketCap
ホワイトハウスで仮想通貨およびAI政策を担当するデイヴィッド・サックス氏は 4月10日にXで投稿 し、米国のコア消費者物価指数(CPI)が前年比2.8%上昇と、2021年3月以来の低水準となったことを受け、「今こそ利下げの時だ」と主張した。
一方、CMEグループの FedWatchツール によれば、FRBが5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送る確率は64.8%に達している。
信用スプレッド拡大はBTCに圧力
一般的に、利下げやマネーサプライ(通貨供給量)の拡大は資産価格、特にビットコインや仮想通貨にとって好材料と見なされている。
しかしティーレン氏は、過去の傾向として「信用スプレッドが前年比で拡大し始めた時期には、ビットコインが下落圧力を受け、回復までに時間を要するケースが多い」と指摘している。
「このパターンは、長期的にはチャンスが訪れるかもしれない一方で、短期的にはビットコインがさらなる圧力にさらされる可能性があることを示唆している」と述べた。
さらに同氏は、通貨切り下げもまた、短期的には市場にとって弱気材料となりやすいが、長期的には強気材料に転じる傾向があると補足した。
こうした分析が示される中、市場では米ドル安に対する懸念も広がっている。
トレーディングビューのデータ によれば、米ドル指数(DXY)は現在100.337で、過去5日間で2.92ポイント下落している。
米ドル指数(DXY) Source: TradingView
トレーディング情報アカウントのコベイシレターは 4月10日のX投稿 で、「米ドルは舞台から姿を消した。何かがまた壊れた」とコメントした。
一方、ブラックロックのデジタル資産部門責任者であるロビー・ミッチニック氏は、3月下旬の時点で「景気後退のようなマクロ経済環境において、ビットコインは最も力強く成長する可能性が高い」と 語っている 。「景気後退が起きるかどうかは分からないが、もし起きれば、それはビットコインにとって非常に大きなカタリストになる」。
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