NFTマーケットプレイスX2Y2が3年で閉鎖、AIに軸足移す
NFTマーケットプレイスX2Y2は、3年間の運営を経てサービスを終了すると発表した。
3月31日の 告知によると 、X2Y2は4月30日をもって閉鎖され、チームは人工知能(AI)プロジェクトへと注力する方針だ。X2Y2は急速に拡大するAI分野への期待を次のように表明した。
「これは方向転換だ。過去12カ月間、私たちはAIに深く取り組んできた──これは我々の生涯における最大級のパラダイムシフトであり、暗号資産分野にも変革をもたらすものだ。私たちは新たなものを構築している。」
“It’s a pivot. Over the last 12 months, we’ve been diving deep into AI—hands down the biggest paradigm shift we’ll see in our lifetimes—and how it can transform crypto. We’re building something new.“
トークン・ターミナルのデータによれば、X2Y2の直近1年間の取引高は5,360万ドルで、市場首位のBlur(30億ドル)には及ばないものの、Blur、OpenSea、Immutableに次ぐ第4位の規模となっている。
X2Y2 365-day trading volume chart. Source: Token Terminal
NFTに特化したポルカドットおよびクサマチェーン上の「ユニーク・ネットワーク」社長、チャル・セティ氏は、今回の決定をNFT市場の衰退とは捉えていないと語った。
「コレクティブルや取引に焦点を当てた投機的フェーズは終わったが、NFTは今、ゲーム、AI、ファンエンゲージメント、コンテンツ認証といった分野での中核的インフラとして、次の成長段階に入っている。」
実世界での活用が鍵に
セティ氏は、ミシカル・ゲームズが2021年に7,500万ドルを調達した後、ポルカドット上で大量のNFTを発行してゲーム内統合を図った事例などを紹介。さらにDappRadarの報告を引き合いに出し、ブロックチェーンゲーム分野が2024年に日次アクティブウォレット数740万を記録したことにも触れた。
「X2Y2の経験は、NFTプラットフォームがマーケットプレイスとしてのネットワーク効果だけに頼っては生き残れないことを示している」とセティ氏は述べた。代わりに、コミュニティ構築や市場のレジリエンスを強化し、NFTを現実世界のユースケースに組み込む必要があるという。「重要なのは投機よりも実用性を重視することだ」と強調した。
「プラットフォームは、ゲーム、スポーツファン、AI応用など、継続的なユーザーエンゲージメントを促進する実用性重視のモデルへと転換すべきだ。成功するプラットフォームは、NFTを単なる投機的資産ではなく、継続的な価値循環の一部として位置づけるだろう」と述べた。
NFTマーケットプレイス「Rarible」の共同創業者アレクサンダー・サルニコフ氏もコインテレグラフに対し、今回の閉鎖はNFT市場のサイクルの一部であるとの見方を示した。サルニコフ氏もまた、セティ氏と同様に「実用性が鍵」と強調している。
「NFTは依然として暗号資産の中で最も強力な基本要素の一つだ。次の波は、ゲーム、デジタルID、ブランドエンゲージメントなど、明確なユースケースに焦点を当てたプロジェクトが牽引していくだろう。」
新たな方向性
X2Y2の新プロジェクトに関する詳細はほとんど明かされていないが、チームは読者に対し「AIを活用したパーミッションレスな利回り創出」を想像してほしいとしている。
新たなプラットフォームでは、強気相場でも弱気相場でも、あらゆる市場サイクルを通じて利益を得られる設計を目指すとされており、AIによる自律的トレーディングのような分散型の仕組みになるとみられる。
「これは単なる新プロジェクトではなく、我々が心から貢献したいと願う広範なコミュニティのために、暗号資産分野で真の長期的価値を生み出そうとする挑戦だ。」
なお、この発表は、2月初旬にAIエージェント関連のトークンが2024年の高値から最大90%下落したと報じられたことに続くものだ。ただし、近年の報告では、AIを活用した暗号資産エージェントの台頭が、ICO時代のプロジェクトに見られたようなブーム、崩壊、そして再興のサイクルをなぞっている可能性も示されている。
免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。
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