ビットコイン(BTC)は3月28日、米インフレ指標が予想を上回る中で、ローカルボトムを探る展開となった。

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BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

PCE上振れでビットコイン軟調

TradingViewのデータ によると、BTCはウォール街の取引開始時点で8万5500ドルを目指して反発したものの、すぐに反落した。

同日は3%超の下落となり、ビットスタンプでは8万4500ドルを下回る水準まで下落。これは3月23日以来の安値となる。

その後発表された2月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、前月と比べてインフレの加速を示す結果となった。

PCEは前月比0.3%、前年比2.5%と市場予想通りだったが、コアPCEは両指標とも予想を0.1ポイント上回る結果となった。

コベイシ・レターはX上で「コアインフレが再び上昇し始めている」と コメント 。1月分の数値も上方修正されていたことを指摘した。

さらに、「現在のマクロ経済の軌道は、2025年にスタグフレーションが起こる条件が揃いつつある」と分析し、「貿易戦争が激化する中、3月のインフレデータはさらに重要な指標になるだろう」と付け加えた。

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米国の PCE の変化率  Source: Bureau of Economic Analysis

「典型的な市場のクールダウン」との分析も

ビットコインはインフレ再加速の懸念にそれほど大きな反応を見せなかったが、市場参加者は依然として波乱の可能性を視野に入れている。

トレーダーのダーン・クリプト・トレード氏は「PCEデータが出るので、今日の市場はかなりボラティリティが高くなりそうだ」と Xで投稿している 。

一方で、市場全体に対して懐疑的な見方も残っており、ビットコインが8万ドル以上の水準を維持しているとはいえ、依然として楽観視できる段階ではないという声もある。

トレーダーでアナリストのマイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、「BTCのトレンドは依然として上向きだが、やや弱気に傾きつつある」とし、「現在は不安定な状態だ。8万4000ドルを割り込めば、7万8000〜8万ドルを試す展開となり、さらにそれ以下の水準に向かう可能性がある」と Xで述べた 。

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BTC/USDT 12-hour chart with relative strength index (RSI) data. Source: Michaël van de Poppe/X

同じくトレーダーのザ・キングフィッシャー氏も、短期的な強気相場の回復には懐疑的な見方を示している。

「短期的には一時的なショートスクイーズが見られる可能性はあるが、広い視野で見ると、持続的な強気相場を裏付ける状況ではない」と 指摘する 。

「ボラティリティが低下し続けている現在の市場状況は、典型的な“クールダウン期”に一致している。季節的なリセットに向かっている可能性もあり、『5月に売って退場せよ』という相場格言が先行して織り込まれる展開も考えられる」

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BTC/USDT 4-hour chart with volume data. Source: TheKingfisher/X

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。