かつての音楽共有サービス「ナップスター」 スタートアップ企業が2億700万ドルで買収 メタバース音楽体験を構想
人工知能(AI)スタートアップのインフィニット・リアリティが、かつて音楽共有サービスとして知られ、現在は音楽ストリーミングサービスを提供するナップスターを2億700万ドルで買収する契約を締結した。今後は音楽特化型メタバースの展開も視野に入れているという。
インフィニット・リアリティは 3月25日の声明 で、ナップスターが「ブランド化された3Dバーチャル空間」を提供し、バーチャルコンサートや「ソーシャル・リスニング・パーティー」、バーチャルグッズの販売などを実現する構想を明らかにした。
ナップスターの最高経営責任者(CEO)であるジョン・ヴラソプーロス氏は「友人と一緒に限定ライブをバーチャル空間で観たり、アーティスト本人とチャットしながら新曲リリースを祝ったり、限定のデジタル&フィジカルグッズを直接購入したりする──そんな体験が現実になる」と語った。
「インターネットはデスクトップからモバイルへ、モバイルからソーシャルへ、そして今、没入型の時代に入ろうとしている」とも述べている。
"The most legendary collab?! Infinite Reality has acquired iconic online music brand @Napster .
— Infinite Reality (@Infinite_iR) March 25, 2025
With this acquisition, we're expanding and reimagining Napster, empowering artists with new audience monetization and engagement capabilities, underpinned by iR’s #immersive … pic.twitter.com/L4Fig7QFct
インフィニット・リアリティはさらに、ナップスターにAIを活用したカスタマー&コミュニティマネジメントツールやファン行動の分析ダッシュボードなどを実装し、同社が保有する他のエンタメ資産(eスポーツチームなど)とのクロスプロモーションも展開する予定だ。
ナップスターの歩み
ナップスターは1999年にピア・ツー・ピア(P2P)のファイル共有サービスとして誕生し、主に音楽の違法共有の温床となった。だが2001年、著作権侵害をめぐる訴訟の末に裁判所命令で閉鎖された。
その後、破産処理の中でブランドが売却され、音楽ストリーミングサービスとして再出発。20年以上にわたり複数の企業に所有権が移転してきた。直近では2022年、ブロックチェーン企業アルゴランドと仮想通貨投資会社ハイブマインドが共同で買収していた。
ナップスターはWeb3分野にも進出しており、2022年6月にはアルゴランド・ブロックチェーン上で独自トークン「ナップスタートークン」の 発行を発表 。音楽のサブスクリプションやコンテンツ購入に利用できる構想だった。2023年2月にはWeb3音楽スタートアップ「ミント・ソングス」も買収している。
インフィニット・リアリティの共同創業者兼CEOであるジョン・アカント氏は、「我々のチームは、クリックベースの2Dウェブから会話型の3Dウェブへの転換を牽引したいと考えている」と述べている。
ナップスター買収の完了は今後数週間以内を予定しており、インフィニット・リアリティはこの買収により、ナップスターをアーティスト、ファン、キュレーターのための“没入型音楽プラットフォーム”へと進化させ、収益化とエンゲージメントの新たな道を切り開いていく方針を示している。
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