ペイパルとストライプ ステーブルコイン成長の「主要な原動力に」=ポリゴン・ラボCEO
ポリゴン・ラボのマーク・ボイロンCEOによれば、近年のステーブルコイン業界の急成長は、大手決済プロバイダーがこの新しい技術を統合し、トークンによる決済を容易にしたことが一因だ。
コインテレグラフのインタビューで、ボイロン氏は「ストライプやペイパルのような企業がステーブルコインを統合したことが、その成長の主な原動力となっている可能性が高い」と語った。
ペイパルは2022年にデジタル資産市場へ参入し、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などのトークンの送受信を可能にした。その1年後には、米ドルにペッグされたステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」を発行した。その時価総額は急速に成長し、一時10億ドルを突破した。
PYUSDの時価総額の推移 Source: CoinGecko
PYUSDの発行時、ペイパルのダン・シュルマンCEOは「デジタル通貨への移行には、デジタルネイティブでありながら米ドルのような法定通貨と容易に接続できる安定した手段が必要だ」と 述べた 。
ストライプも、ステーブルコインを「ペイ・ウィズ・クリプト」機能に統合し、企業がイーサリアム、ソラナ、ポリゴンの各ネットワークでUSDコイン(USDC)による支払いを受け付けられるようにした。また、グローバルな給与支払いプロバイダーであるリモートと提携し、米国企業が海外の契約社員にUSDCで給与を支払える仕組みを 導入している 。
2024年10月には、ストライプがステーブルコイン関連のスタートアップであるブリッジ・ネットワークを11億ドルで買収すると 発表した 。
ポリゴン・ラボのボイロン氏によると、デジタル決済大手に加え、伝統的な企業や金融機関も、欧州の新たな規制枠組みや米国の政策変更を受け、ステーブルコインを採用し始めているという。
「機関投資家は、ステーブルコインの利用機会が広がり続けていることを実感している」とボイロン氏は指摘する。「仮想通貨を専門としない企業からも、ステーブルコインの収益性に注目し、導入を検討する動きが強まっている」。
これらの企業に共通するのは、「既存のステーブルコイン事業者が示してきた収益性」を認識し、「特に送金市場において、従来の手数料体系を回避しつつ、より優れた決済インフラを提供する機会がある」と理解している点だという。
2300億ドル規模の市場
ステーブルコイン市場は、先進国・新興国の両方で活用される2300億ドル規模の産業へと 成長した 。ステーブルコインの中でも、テザーのUSDTは最大のシェアを誇り、市場全体の61%以上を占めている。
テザーはまた、世界で最も収益性の高い企業の1つでもあり、2024年には米国債の巨額保有を背景に、130億ドルの純利益を記録した。
ポリゴンのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンでは、2023年第4四半期にステーブルコインの供給量が14%増加し、20億ドルを突破したとボイロン氏は述べている。
「ポリゴンPoSは依然として主要なイーサリアム・バーチャル・マシン(EVM)チェーンであり、全アプリケーション取引の約30%を占めている。これは、承認、送金、ラッピングといった基本的なトークン操作を超えた取引を含む」と彼は指摘する。
ステーブルコインの新たな革新
最近のステーブルコイン市場では、新たな革新が進んでいる。その一例が、マルチカレンシー取引をサポートするレイヤー1決済ネットワーク「1Money」のローンチだ。
さらに、利回りを生むステーブルコインも注目を集めている。米証券取引委員会(SEC)は最近、フィギュア・マーケッツの「YLDS」を 承認した 。これは米ドルにペッグされたステーブルコインで、年率3.85%の利回りを提供する。
一方、テザーの共同創設者であるリーブ・コリンズ氏は、利回りを提供する分散型ステーブルコインの立ち上げ計画を 発表した 。
ボイロン氏は、「最も有望な進展は、従来の担保管理の安定性とDeFi(分散型金融)の利回りを融合させた利回り付きステーブルコインの登場だ」とし、オンド・フィナンスのUSDYに注目していることを明かした。
Ondo’s USDY has more than $435 million in total value locked. Source: DefiLlama
Ondoの「イールドコイン」製品は、米国債を担保とするトークン化資産であり、非米国居住者にとって、米ドル建ての利回りを得られるステーブルコインのような役割を果たす。現在、USDYはUSDCなどのステーブルコインで最大4.35%の年利を提供している。
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