ついに来たXデー:SECがBitcoin ETFを承認
2024年1月10日、SECが現物Bitcoin ETFを承認しました。米証券取引委員会(SEC)のヘスター·ピアース委員は声明で『マクベス』の一説を引用しながら、暗号資産業界の苦節10年以上に及ぶ忍耐を称えています。
プレリュード
この公式ニュースに先立ち、SECのゲーリー·ゲンスラー委員長はX(旧Twitter)で暗号資産投資に関する警告を発表していました。1月8日(月)には、ボラティリティ、コンプライアンスの欠如、「詐欺師」の多さを強調するスレッドを、1月9日(火)には暗号資産に伴う多くのリスクについての注意喚起を発表しました。暗号資産コミュニティは当然のように、彼の暗号資産へのバッシングを嘲笑しました。しかし、よく考えてみれば、SECが現物Bitcoin ETFの申請期限を直前に控え、何度も警告を発したことは、ゲンスラー委員長がETFの承認を示唆したとも考えられます。また言うまでもありませんが、Xの公式アカウントが侵害され、その場でBitcoin ETF 承認のフェイクニュースが投稿された同日に、SECが「アカウントを保護/身元を保護すべきの典型的な例となったのです。ゲンスラー委員長は「警告」しましたが、ほとんどの人は彼を批判することで精一杯で、彼の真意に気づかなかったのではないでしょうか?
SECに関する先日のニュースについてはこちらをお読みください。 SECにまつわる喜劇:現物Bitcoin ETFに関するフェイクニュース
Bitcoin ETFの承認が間近に迫るなか、現物ETF発行機関の中では手数料戦争がすでに始まっていました。ブラックロックは初期手数料を0.30%から0.25%に、21Shares Arkは0.25%から0.21%に、Bitwiseは0.24%から0.20%に、WisdomTree は0.50%から0.30%に、Invesco Galaxy Digitalは0.59%から0.39%に、Valkyrieは0.8%から0.49%に、Fidelityは0.39%から0.25%に引き下げています。これらの機関は、条件付きでさらに低額かつの手数料も提供しています。例えば、ブラックロックの手数料は、最初の1年間または最初の運用資産残高50億ドルに対して0.12%のみであり、21Shares Arkは、最初の6カ月間または最初の運用資産残高10億ドルのいずれか早い方の手数料免除を実施します。
先物Bitcoin ETFは勢いをなくしたのか
この質問は、多くはありませんが、さまざまなプラットフォームの暗号資産に関する議論の中で、時々見受けられています。本日(1月11日)現在、米国で最大のBitcoin ETFは、先物ベースの17億ドルの運用資産残高を有するProShares Bitcoin Strategy ETFです。先物Bitcoin ETFと現物ETFの最大の違いは、資産の所有権にあります。現物ETFでは投資家は実際のBitcoinの購入と管理活動に従事しますが、先物ETFの場合、単にCME上のBitcoin先物取引へのエクスポージャーが提供されるだけです。各タイプには長所と短所があり、あらゆる資産の現物市場と先物市場が分散投資やヘッジ目的で共存してきたように、先物ETFもさまざまなリスク許容度や投資ニーズを満たすために、今後も存在し続けるものと思われます。
こちらでご説明したように、これらの承認は、最近までこの分野全体に対して攻撃的であった米国当局(金融と規制の面)による暗号資産の適切な承認を意味し、また暗号世界への資本流入に影響を与えます。金融機関のセンチメントを示すもう1つの指標として、今後数週間のうちにBitgetホットテイクシリーズで現物Bitcoin ETFのパフォーマンスに関する概要を提供する予定です。
Bitgetホットテイクシリーズはこちらからご覧ください:Bitgetアカデミー [市場最新情報]
急騰はしていない?
一般的な投資家であれば、このニュースの直後にBTC価格が急騰すると考えるでしょう。しかし、実際にはどうでしょうか?
「噂で買って事実で売れ」という古き良き格言が言ったように、良いニュースが飛び込んでくることを期待して価格が上昇することはよくありますが、ニュース発表後に上昇するとは限りません。Bitcoinの場合、その先物やオプション市場にヒントを求めることができます。Bitcoinの先物市場やオプション市場は、暗号資産ウォレットの設定や暗号資産の現物取引を始めるための手続きといった面倒な手間をかけずに、現物価格を投機するために広く使用されているからです。
下記のBTC資金調達率履歴グラフにあるように、2023年12月25日から本日(2023年1月11日)までの資金調達率は、新年から大幅に低下し、OKXでは下落さえ発生しています。資金調達率は、暗号資産の無期限先物の独自の指標であり、8時間ごとに最終決定され、取引価格を現物価格に近づけます。資金調達率がプラスであることは、ロングポジション保有者がショートポジションを売却する投資家に支払う意思があることを意味し、つまり強気センチメントを象徴します。資金調達率がマイナスの場合は逆となります。チャートの緑の列を見ると、2024年に向けて強気度、すなわち列の高さが相対的に低くなっていることは明らかです。これは、投資家の大多数が米国でのBitcoin ETFの承認を必ずしも評価していないことを意味するものではなく、今後数日間でよりボラティリティが高まるシグナルと言えるでしょう。
現在この分野で最大のオプション市場であるDeribitでオプションのMaxPain価格を確認すると、今後の変動がより見えてきます。240110のMaxPainは46000、240111は 45750、240112は44500、240113 は46000、240119は45000 、240126は40000です。MaxPain価格は、ほとんどのオプション保有者が満期時に損失を経験する実行価格であり、1月に満期となるすべてのオプションのMaxPainは不安定な動きを示唆しています。これはニュースが出てから約12時間後のことであり、米国とカナダの投資家はポジションを開設または調整し、アジアの投資家も反応を示しています。ヨーロッパの同業者だけが反応していないので、この数字はかなり正確です。
この記事を書いている時点でBitcoinの高値は47,647ドルで、Bitget現物取引では48,000ドルにさえ近づきましたが、すぐにボリンジャーバンドの内側に戻ったため、このトレンドは否定されました。長期的には、Bitcoinは高騰するかもしれませんが、現時点でのボラティリティリスクが非常に高いため、注文は慎重に行なってください。
また、Ethereumが2,300ドルを超えており、現在2,500ドル付近で取引されているということにも言及すべきでしょう。これが現物Bitcoin ETFの承認の即時効果であると信じる十分な根拠があります。しかし、EthereumとBitcoinの価格は異なる要因によって決定されるため、変化の大きさは同等ではありません。現物Bitcoin ETFが承認したことにより、現物Ethereum ETFの誕生にも希望が見えてきましたが、Bitcoinの価格変動は今年4月の4回目のBitcoin半減期にも影響されます。Ethereumに関しては昨夜、RedditでVitalik氏がスループットを向上させるためにブロックチェーンのガス上限を引き上げる可能性について言及しており、その影響を受ける可能性もあります。1月11日の始値はBitcoinとEthereumの相関関係の低下を示しており、これは2大暗号資産の価格上昇のタイムラグを予測するのに役立つ可能性があります。
世界の暗号資産市場におけるBitcoinの優位性のおかげで、あらゆる暗号資産が、SECによる承認の直接的な成果として、価値の増加により恩恵を受けることになるでしょう。ただし、投資戦略を立てる上で重要な要素は、依然として分散を図り、感情的な取引を控えることです。
次のBitcoin半減は目前に迫っている
Bitcoin価格については、安定すべき面もありますが、その上昇の勢いは実際に高まっています。暗号資産史上最も短い弱気相場から抜け出したばかりであり、次のBitcoin半減期まで15,000ブロックを切っています。今回のBitcoin半減期の影響については、Bitcoin半減期、その効果は?の記事をご覧ください。米国の著名な投資家であるジム·クレイマー氏は、 Bitcoinの価格が頂点に達したのかどうかを考えているようですが、2024年は素晴らしいスタートを切ったことに間違いないでしょう。
免責事項:この記事で述べられている意見は、情報提供のみを目的としています。本記事は、取り上げた商品やサービスを推奨するものではなく、また投資、金融、取引のアドバイスをするものではありません。投資に関する意思決定は、事前に専門家に相談することをお勧めします。
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